1型糖尿病とケトアシドーシス | 突然のインスリン不足に注意

ケトアシドーシスは主に1型糖尿病患者に起こる深刻な状態です。
ケトアシドーシスとは、血液中のケトン値が高くなり、体が強い酸性になった状態をいいます。

ケトン体とケトーシス


体は、毎日食事で供給されるブドウ糖を、エネルギーに変化させて使っています。しかし、食事で摂るブドウ糖が足りなくなると、体の脂肪が燃焼されエネルギー源として使われるようになります。

この時、肝臓で作られるのがケトン体というものです。

一般的に、食べる量を減らすと、エネルギーは不足します。足りないエネルギーを補おうとして脂肪が燃やされる、だからダイエットになる、という話を聞きますね。
そいいう現象が起こる時に、脂肪エネルギーの燃えカスみたいな物をケトンと呼ぶ、と思ってください。(厳密に言うともう少し複雑な過程があります)

血液中のケトン体がどんどん増えて、標準的な値を超えている状態を「ケトーシス」または「ケトン症」と呼びます。

本来、体のエネルギーとなるのはブドウ糖なのですが、ブドウ糖がないので、脂肪エネルギーを代替として使えるように体の構造が変化するのですが、脂肪をせっせと燃やしてエネルギーにしているよ、だからケトンが増えてるよって状態が「ケトーシス」なんです。

なので、「ケトーシス」というのは病気ではなく、人間が少しの間、飢餓状態であっても生き延びられるように造られた便利な機能が働く結果なのです。この機能を利用したのが、断食ダイエット、糖質ダイエットとか呼ばれるものです。

ケトーシスとケトアシドーシスの違い

1型糖尿病はインスリンが体内で造られない、または、極端に少なくしか分泌されないという病気です。

インスリンを使ってブドウ糖からエネルギーを作りますが、インスリンが足りないと、ブドウ糖をエネルギーにかえることができません。

ブドウ糖をエネルギーにかえられないと、エネルギーが不足するので、体脂肪を燃やしてエネルギーにするぞ、と体が働き始めます。すると、脂肪が燃えて、ケトン体が燃え残り、ケトーシス状態になります。ここまで現象は同じです。

ケトン体ができる状況は同じなのですが、糖尿病では、分解されないブドウ糖もそのままあるので、血糖値も上昇していて、さらにケトンも増えるという困った状態になってしまいます。

インスリンは食事をした後たくさん使われますが、食事中でなくとも、常に少しづつ必要とされています。

しかし、何かの折にインスリンの投与ができなかったり、体調不良に陥ってインスリン量が減りすぎると、血糖値は上昇します。
そしてブドウ糖がエネルギー化しないので、脂肪が燃やされ、ケトン体もどんどん増えて血液中に溢れてきます。

さらに糖は尿にも溢れ、濃くなった尿は水分を呼ぶので、体は脱水状態になります。

溢れたケトンは血液を酸性化します。
ケトアシドーシスとは、ケトーシスの行き過ぎた状態だと思ってください。

 ・ 血糖値が上昇し続ける。
 ・ ケトンが血液中にたまり、体の組織が強い酸性になる。
 ・ 細胞が損傷を受け、重大な病気や時によっては死を招く可能性もある。

ケトアシドーシスは、かぜやインフルエンザなどの感染症にかかっている時や、強いストレス下にある時に、急激に発症します。


ケトアシドーシスの症状


ケトアシドーシスが発症した場合、次のような症状が出ます。該当する場合は直ちに医師にかかりましょう。遅れると生命にかかわる場合もあります。

・ いつもより空腹と喉の渇きを感じる。
・ 尿の回数が多くなった。
・ 吐いたり、胃がむかむかする。
・ 胃やおなかが痛い。
・ 息が果物の匂いがする。
・ 呼吸が苦しい。
・ 熱がある。


ケトアシドーシスの原因


糖尿病性ケトアシドーシスの原因は極度のインスリン不足です。
特に1型糖尿病ではインスリンの投与のタイミングがずれたりした時、気付かずに体調不良になっているときなどにみられることがあります。
インスリン投与は適切な量を行うようにしましょう。

なお、2型糖尿病でも清涼飲料水をガブ飲みなど、急激な飲食によっても起こりえます。これは清涼飲料水ケトアシドーシス、または、ペットボトル症候群とも呼ばれています。

また、感染症、極度のストレス、風邪、インフルエンザなど抵抗力が弱っている時も注意が必要です。

脱水や症状がひどいときには、意識障害や昏睡にまで至ることがあります。

ケトアシドーシスの予防


予防は何よりもインスリン不足にならないよう心がけます。
感染症、合併症に気をつけて規則正しい食生活をします。

毎日の血糖値を記録して自分の体調の変化を見逃さないようにしておきましょう。

低血糖などは、糖尿病患者であれば、しばし、経験することですが、ケトアシドーシスは滅多にあることではありません。対処が遅れないように、「これは普通の体不調ではない」と感じたら速やかに対処しましょう。

低血糖やケトアシドーシスのことなど、身近にいる人達に充分理解してもらい、緊急時の対処をお願いしておくようにします。

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1.食生活

  • ●1日30品目を目標
  • ●動物性脂肪より植物性脂肪を摂り、肉より魚を摂る
  • ●早食いは禁物。よく噛んで食べることを心がける
野菜を積極的に食べましょう

2.無理のない程度に有酸素運動を

※忙しくて運動が出来ないという方は生活の仲でちょっとした工夫を
  • ●通勤はバス停の一つ手前で降りるなど少しでも歩くようにする
  • ●エレベーター、エスカレーターを使わず、階段を使う
  • ●高層ビルなら2~3階手前で降り、階段を使う
  • ●車は少し離れた場所に駐車し、目的地まで少しでも歩く
  • ●買い物や趣味の集まりには歩いていく
自転車が無理なく運動できます。

3.休養

  • ●充分な休養と睡眠
  • ●ストレス解消
  • ●気持ちを穏やかに保てる努力をする

★日頃の生活習慣を見直すことは、糖尿病だけでなく、そのほか様々な病気を予防することにもつながります。

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