糖尿病の分類
ひとくちに「糖尿病」といっても、その原因と病態から大きく4つに分類されています(1997年に、1985年まで使われていたWHOの分類をあらため、以下のように分類)。
したがって、「糖尿病の治療法」もさまざまです。高血糖の原因や状態などをよく理解し、適切な治療を心がけたいものです。
糖尿病の分類
糖尿病腎症は糖尿病の3大合併症のひとつです。
糖尿病にかかって10年以上経過している人で、糖尿病のコントロールが悪く、高血糖状態が長い間続いていると、腎臓の糸球体の毛細血管に障害が起きてきます。
そのため腎機能が低下して、尿の中にタンパクが出てきたり、高血圧やむくみなど腎炎と似た症状が起こります。
進行すると、腎不全から尿毒素となり透析が必要になります。
一次性糖尿病
★Ⅰ型糖尿病・・・
インスリンをつくる膵臓のβ細胞が破壊されておこる糖尿病で、インスリンがほとんどつくられないため、外から(注射で)インスリンを補給しなければなりません。
若い人に多く、以前は「インスリン依存型糖尿病」とか「若年性糖尿病」といわれていました。
★Ⅱ型糖尿病・・・
インスリンをつくる力は残っていますが、インスリンの効きが悪くなっているため、血糖を正常に保てなくなっている状態です。
インスリンの分泌低下を伴う場合もあります。
中高年に多く日本人糖尿病の約90%を占めています。
以前の「インスリン非依存型糖尿病」とか「生活習慣型糖尿病」に相当します。
二次性糖尿病(特定の原因によるその他の糖尿病)
★膵臓の病気で起こる糖尿病・・・
急性膵炎や慢性膵炎、膵臓ガンなどの病気で、膵臓がおかされて起こります。
※これらの病気の多くは、アルコール(飲酒)が原因で起こります。
★内分泌系の病気で起こる糖尿病・・・
インスリンの働きを妨害する副腎皮質ホルモンや成長ホルモンを、体の中でつくりすぎる病気によって起こります。
★薬物や科学物質で起こる糖尿病・・・
インスリンの働きを妨害する副腎皮質ホルモン剤や、膵臓からのインスリンの分泌を抑える働きを持つ降圧利尿剤(高血圧の薬)、特にザイアザイド系薬剤を、長く、多量に使用していて起こります。
■糖尿病の分類
一次性糖尿病と二次性糖尿病はどこが違うの?
二次性糖尿病は糖尿病の原因になった基礎疾患を治療することにより、治癒する可能性があります。
ただし、基礎疾患があっても、糖尿病を発症するかどうかは、糖尿病の素因の有無に関係しており、基礎疾患がきっかけとなって一次性糖尿病を発症することもあるので、必ずしも一次性糖尿病と完全に分けて考えられない場合もあります。
治療は、基礎疾患の治療とともに、状態に応じた糖尿病の治療が必要です。
軽症の糖尿病であれば、基礎疾患がコントロールできれば糖尿病の状態も改善しますが、基礎疾患がコントロールできない時や、基礎疾患がきっかけとなり一次性糖尿病が発症した時は、一般の糖尿病の治療と何ら変わるところはありません。
また、糖尿病状態が進めば、合併症の発症・進展についても、一次性糖尿病と明らかな違いはないと考えられます。
近年増えている糖尿病はインスリンが体に余っているタイプ
糖尿病のタイプも以前とは様変わりしています。これまでインスリン不足から生じる場合が通例でしたが、最近増えているのは、
【血液中に十分インスリンがあるが、うまく作用せず、腎臓などの臓器が糖分を利用できない。そのため血液中に糖分があふれて高血糖になっている、まさに欧米型の食習慣の中で増えている糖尿病のタイプ】です。
しかし、これも血液中にインスリンが十分あるため、生活習慣をもとに戻せば、インスリンは再び働き始めると言われています。
■一次性糖尿病と二次性糖尿病はどこが違うの?
糖尿病は「十人十色」
糖尿病は生まれつきの体質(遺伝的素因)を背景に、食習慣、運動不足、肥満、加齢などといった環境因子が絡み合って発症する事が分かっています。
環境因子はもちろん、遺伝的素因の中にも様々なバラエティがある上に、そのときどきの外的要因に影響されて、短期間のうちにでも血糖の状態は良くなったり悪くなったりします。
体の重要なエネルギー源であるブドウ糖をうまく処理できずに高血糖状態に陥る点や、その結果、血管病変を中心とした様々な合併症を引き起こす点は共通していますが、合併症の起こり方も患者さんごとに違ってきます。
この様に、糖尿病という病気の出発点や経過は十人十色と言え、この多様性は、糖尿病の研究や治療を難しくする一因となっています。
したがって、症状、糖尿病の原因などをよく考慮して、自分自身の体に合った治療を心がけるようにしましょう。
■糖尿病は「十人十色」












