***** 糖尿病と高血圧 ******
高血圧の患者数は国内で 3,000万人といわれ、まさに国民病といえます。
同じように糖尿病も、予備軍を含めると患者数1,400万人に上る病気です。
そして、糖尿病の人は血圧が高くなりやすく、40~60パーセントが高血圧をあわせもっています。
切っても切り離せない「糖尿病と高血圧」。いったいどういうことなのでしょうか?
●「血圧が高い」とはどういうこと?
血圧とは、血液が流れる際に血管の内側にかかる圧力のことです。
高血圧と診断されるのは一般に、収縮期血圧(心臓が収縮して血液を送り出したときの血圧。最高血圧)が、160mmHg以上、または拡張期血圧(心臓が拡張したときの血圧。最低血圧)が95mmHg以上のときに、高血圧と診断されます。
●糖尿病と高血圧はどのような関係があるのか?
1.高血糖で循環血液量が増え血圧が上昇する
糖値が高い状態では、体内の細胞の浸透圧が高くなっています。
わかりやすく言えば、糖分の多い血液を薄めるために、水分が細胞内から細胞外にでてきたり、腎臓からの水分の吸収が増えたりして、体液・血液量が増加し、血圧が上昇します。
2.肥満の人が多い
肥満していると、交感神経(自律神経のひとつで心臓や血管に働きかけます)が緊張し、血圧を上げるホルモン(アドレナリン、ノルアドレナリンなど)が多く分泌されるので、高血圧になります。
糖尿病(2型糖尿病)の人は太っている人が多く、高血圧になりやすいのです。
3.糖尿病性腎症で血圧が上がる
糖尿病の合併症の腎症があると、腎臓から血圧を上げるホルモン(レニン)が分泌され、血液のろ過機能が低下し血液量が増えて血圧上昇します。
4.糖尿病の合併症の進行を加速する
高血圧は、糖尿病性腎症の発症・進行も早めます。
腎臓は血液をろ過して尿を作る臓器で、絶えず大量の血液が流れています。
ですから、血圧が高いと腎臓へ多くの負担がかかってしまうのです。一度腎症が発症すると、その進行につれて血圧が上昇しますので、腎症をさらに悪化させてしまいます。
また、高血圧は網膜内の血管にも悪影響を及ぼし、網膜症の進行を加速します。
5.動脈硬化がより起こりやすくなる
糖尿病と高血圧が心臓病や脳血管疾患に及ぼす危険性を数字でみると、健康な人の危険度を1とした場合、糖尿病で2~3倍、高血圧で2~3倍、糖尿病と高血圧があると6~7倍にもなります。
●血圧を下げるには?
何よりもまず、日常の生活習慣の改善が重要です。減塩・肥満解消・禁煙・運動などに気を配ることが大切です。
しかし、これらを行っても血圧が下がらないときは薬治療が必要になってきます。
高血圧に使われる薬(降圧薬)は、長期間服用することが多いので、患者さん自身も薬のことを知っておくようにしましょう。
☆注意!糖尿病と高血圧は、どちらも症状のないまま進行します。
糖尿病の人は、血圧がそれほど高くない軽い高血圧でも、積極的な治療が必要です。
血糖値とともに血圧をコントロールできるか否かが、いつまで元気で生活できるか、その人の人生を大きく左右します。
糖尿病も高血圧の治療も患者さん自身の生活管理が大きな意味をもっていることを忘れないようにしましょう。