****** 糖尿病と歯の関係 ******
● 高血糖が続くと歯にどのような影響が出るの?
1.だ液の量が減る
だ液の量が減ると口の中が乾燥し、虫歯や歯周病が発生しやすくなり、またその進行も速くなります。
2.だ液中のブドウ糖が増加
だ液中のブドウ糖は歯垢(しこう)の形成や付着を促進するため、虫歯や歯肉炎、歯周病が起こりやすくなります。
3.白血球機能の低下
白血球は細菌の侵入を防ぐ重要な役割を果たしていますが、特にインスリン依存型の糖尿病患者さんの場合、白血球の機能が低下することがあるので、歯周病の原因菌が増殖しやすく、歯周病を進行させます。
4.微小血管障害が起こる
微小血管障害が起こると、血液の循環が悪くなり、細菌に感染しやすくなり、歯周病にかかりやすくなります。
5.コラーゲンの合成を阻害
傷が治りにくくなることをいいます。つまり歯周病の治りも悪くなるということです。
● 歯を失う原因の80%以上は歯周病が原因?!
推定患者数9,000万人という恐ろしい病気。それは歯周病です。
一般的に歯槽(しそう)膿漏(のうろう)と呼ばれていますが、これは歯を支えている歯肉 歯根膜・歯槽骨などが炎症によっておかされる病気です。
☆歯はどのように抜け落ちるのか
歯と歯の間や、歯と歯ぐきの間にたまった食べ物のかすをそのままにしておくと、そこで細菌が繁殖し、歯垢(プラーク)ができます。
歯垢は、毎日の歯磨きで取り除くことができますが、歯磨きをしなかったり、磨き方が十分でないと、唾液中のカルシウムやリン酸と結合して歯石になります。
歯垢や歯石ができると、細菌が活発に繁殖するようになり、歯肉や歯根膜などに炎症を起こします。
この炎症が悪化して広がると、しだいに歯槽骨が溶け、歯がぐらぐらしてきて、ついには抜け落ちてしまうのです。
25歳を過ぎる頃から、歯肉に炎症が起こりやすくなり、40歳代になると歯周病の罹患率が急上昇するので注意しましょう。
● 糖尿病と歯周病の意外な関係(歯周病が治ると糖尿病も改善?)
歯周病と糖尿病との間には相互関係があります。
糖尿病の患者さんは、健康な人よりも歯周病に罹りやすいことは以前から知られています。
ところが、最近の研究からこの関係が一方的でないことが分かってきました。
虫歯や歯周病のある状態では、インスリンに対する体の反応が悪くなり血糖値が高くなりやすくなります。
つまり歯周病など細菌感染した状態が続くと糖尿病になりやすくなる可能性があります。
したがって歯周病が改善すると血糖コントロールもよくなるということです。
歯周病と糖尿病はお互いがそれぞれの病気のリスクファクター(危険因子)であるといえるでしょう。
● 甘く見てはいけない!~歯周病と全身疾患~
歯周病患者が心筋梗塞を患う確率は通常の3倍です。
心筋梗塞を引き起こす歯周病原菌の一種、PG菌は、血液中を流れるコレステロールを血管に付着させる力が強く、血栓を作り、動脈硬化を進行させる原因を生みます。
これが、心臓の重要な血管、冠状動脈に起きて、心筋梗塞を引き起こしてしまいます。
歯周病原菌が要因と思われる病気は、他にも、狭心症、脳血栓、脳梗塞、肺炎などがあり日本人の死因となる病気の2位、3位に関係しているのです。
糖尿病患者さんのための歯周病予防と治療のポイント
1.食後30分から1時間以内に歯を磨き、歯についた汚れをていねいに取り除きましょう。
2.歯肉が痛かったり出血したとしても、きちんと歯を磨きましょう。
続けているうちに歯肉が健康になり出血しなくなります。
3.よく噛みましょう。唾液の分泌量を増やすことによって、細菌を洗い流し、炎症を起こしにくくします。
4.歯垢ができにくい食事を心掛けましょう。ビタミンC・E、食物繊維の多い食品は歯垢ができにくい食品です。
5.正しく歯磨きができているかどうかを、自分で染色剤を用いてチェックしてみましょう。
6.かかりつけの歯科医を持ち、年に2回は検診を受け、歯石を取っていただきましょう。
7.血糖を良好にコントロールしましょう。
※なによりもまず「毎日の歯磨き」を心がけましょう!