骨折リスクが高まる?  | 糖尿病は関節へ影響を与え骨代謝異常を起こします

糖尿病の治療をしないでいたり、不適切な治療を長く続けていたりしますと、骨や関節にも合併症が起こります。

関節の病気の原因


すなわち、骨や関節の病気に糖尿病が、いわば追い風の役割を果たして悪い影響を及ぼしているのです。

骨はカルシウムで出来ていますが、骨が新しくなるには常にカルシウムが必要になります。不足すると骨から溶かし出され、余ると蓄えます。 つまり、骨はいつもカルシウムを出し入れして生まれ変わっているのです。

骨を作るには骨芽細胞(こつがさいぼう、osteoblast)という新しい骨をつくる働きをする細胞があるのですが、骨の基礎となるたんぱく質を分泌し、これにハイドロキシアパタイトがくっついて骨組織が造られいきます。
古くなった骨を吸収する細胞で、破骨細胞というのもあります。骨芽細胞と破骨細胞が共に働くことで、骨の代謝がおこり常に骨を新しい状態にしているのです。

ところが、糖尿病で、インスリンの分泌が低下したり、働きが弱くなると、骨芽細胞が増やせなくなるのです。インスリンには、血糖値を下げる働きのほかにも、「骨芽細胞」を増やすという重要な働きがあります。

糖尿病は、血糖値を下げるホルモンである「インスリン」の分泌量が低下したり、効きが悪くなることで高血糖状態が続いてしまって起こります。この「インスリン分泌が不足している状態では、「骨芽細胞」が増やせず、健康な骨が形成しづらくなるのです。

さらにインスリン欠が不足すると、骨芽細胞が増えないことに加え、骨基質となるコラーゲンに終末糖化産物(AGE)がたまりやすくなるので、高血糖のためにコラーゲンが劣化すると考えられています。

コラーゲンは骨の柔軟性を保つためにも必要な要素ですが、このため骨はもろくなりやすくなります。

糖尿病が進むと尿の量が増えることがありますが、カルシウムやマグネシウム、リンなどのミネラルは尿として排出されやすく、不足がちになります。ミネラルは骨を作ったり、骨にカルシウムを貯蔵する働きがあり、不足すると骨密度が下がり、骨がもろくなりやすくなります。

血糖が上がると、血中の糖分を尿として捨てようと尿量が増えます。すると、尿に含まれるカルシウムやマグネシウムまで体外に捨てられてしまうために、血液の中のカルシウムも減少してしまいます。


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骨と関節の病気と治療


糖尿病に合併する骨や関節の病気は、骨自体のカルシウムが減少して、薄くもろくなる「骨減少症」、手の関節が動きにくくなる「バネ指」、痛みもなく骨折を起こす「シャルコー関節」などがあげられます。

骨減少症

骨粗鬆症よりは軽度のものとされています。骨量(=骨密度)は正常よりも減少している状態の事です。骨量が若年成人の平均値の70%以上80%未満の場合骨減少症となり、70%未満になると骨粗鬆症と言われます。いわゆる骨粗鬆症の前段階にあたります。骨減少状態であれば、骨折にはなりにくいと言われますが、骨粗鬆症に発展しないよう注意が必要です。

バネ指

ばね指は、腱鞘炎の一種と言われています。指の付け根に腫れや痛みがあり、指の伸ばししがしにくくなります。

指の付け根部分に腫れや痛みがある
指の曲げ伸ばしがスムーズに行えない
伸ばそうとするとばねが弾けたように伸びてしまう
曲げようとするとカクンとした衝撃がある
指が一定の角度で曲がったまま伸びない

症状が悪化すると痛みも増して、指を自由に動かせなくなり、もう片方の手で介助しなくては動かないようになります。
ひどい場合は関節が固くなり、動く範囲が狭くなって曲がったままになることもあります。

患部を安静状態にし、温熱療法やレーザー治療が行われますが、改善しない、痛みがひどい場合は手術も必要にな場合もあります。

シャルコー関節

神経病性関節症とも言われています。関節の防衛機構がなくなり関節がひどく破壊されてしまう病気です。神経障害を起こす病気にかかることで起こります。

関節が腫れる
関節が不安定になる。
膝に水がたまる(関節水症)

X線撮影(レントゲン)の結果、高度な関節の変形・破壊が見られます。
過度の負担によって欠けたりすり減った骨のかけら(関節ねずみ)が関節内に発生するなど進行性の関節破壊がおきます。痛みを感じないため関節の変化に気づかず、重症化しやすいです。

神経障害を起こしているので、痛み自体は激しくないため、膝の負担を減らして関節がこれ以上変形するのを防ぐ治療を行います。

骨密度や血管年齢も気軽に検査できます。

予防について


2型糖尿病治療薬として知られるチアゾリジン系薬剤は、インスリン抵抗性を改善する働きをしてくれますが、骨形成を抑制する副作用が認められています。特に女性の骨折の頻度を高めるおそれがあるとされています。
一方、インスリン抵抗性を改善する作用のあるメトホルミンには、骨芽細胞に働きかけて骨形成を促進する可能性が指摘されています。

骨密度の計測を行い、経過をよく注意する必要があります。食事ではカルシウムや、コラーゲンを摂るようにこころがけるなど、常に体の状況を判断していくことが重要になります。

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